誰もが知っているスミスの代表作の一つ。もっともスミスが自身の手で出版したのは、他に『道徳感情論』だけであるが。経済学が学としての体系を備えて展開された記念碑的な古典と評価される。産業革命前夜の段階において、来たるべき社会のビジョンを示した意義と功績は大きい。分業論から始まり、労働価値論など理論を取り扱った第1篇・第2篇、歴史に関する第3篇、重商主義や重農主義が批判的に検討される第4篇、最後に政策論を展開する第5篇から構成される。