人間行為の善悪・正邪を判断する基準は理性ではなく道徳感情であるとし、小さな(あるいは大きな)不幸には小さな(あるいは大きな)悲しみが適正であるという説明において、ある行為に対して適正であると公平な観察者が同感すれば、その行為は是認されると見なされた。ここに、利己心は第三者の公平な同感が得られる限りにおいて正当化され、経済人の行動は倫理的に根拠づけられた。